あそびのアトリエ リボンクラブ大阪池田ルーム(旧ママりす日記)





赤ちゃん学スペシャル講座 :: 2013/02/05(Tue)

~赤ちゃんの「聞く」~


「赤ちゃんは聞こえている」

「おなかの赤ちゃんも聞こえている」

ということは既に多くの方が知っていることと思います


赤ちゃんは、どんな仕組みで
どんなふうに聞いているのか?


講師は京都大学大学院医学研究科 教授の呉 東進氏にお話しを伺いました


音の伝わる速さは、
空気中ではマッハ1(1200km/h, 330m/s)で、光ほどではないけどかなり速く、

生体の中を伝わる速度は、空気中より4~5倍速いのだそうです

つまり胎内にいる赤ちゃんにも十分伝わるのです



耳介の奥の蝸牛(カタツムリみたいなところ)で、
約3500個の有毛細胞があり、20~20000Hzの周波数の音を
われわれは聞き取っているそうです


ピアノが88鍵で30~4200Hz、
1鍵あたり50Hzの周波数を担っていることに比較すると、
ヒトは1細胞あたり5.7Hzとなりさらに細かく精密に聞き取れるということになります



(ちなみに蝸牛の入口から奥にかけて聞き取れる周波数の場所が決まっていて、
老化すると高い音(入口あたり)の部分から細胞が死に、
一度死んだら再生しないためあまり大きな音を聞かない方がよいそうです)




胎児の耳は8週~形成し始め、25週に完成



在胎25~29週には、
外からの大きな音が聞こえると、
自律神経活動・血圧・呼吸・腸管運動・血中酸素濃度に
変動があることがわかっているそうです


在胎35週頃にささやき声程の35デシベルの電極を当てると、
脳幹の反応がみられ、


生まれたときには私たちがふつうに話している大きさで
聞こえているということがわかりますね


生後2~3ヶ月の睡眠中の赤ちゃんは
反応は音のみならず、リズムへも反応があるといいます


胎児は母親の心臓の音を聞いているので、
生後8日までの泣いている赤ちゃんに胎内心音を聞かせると
90パーセント泣き止むそうです!



その他にも、母親の内臓音(お腹のグルグルとか?)や
ドライヤー、掃除機の音も40~60dBで 胎児に聞こえてるそうですよ


よく赤ちゃんが泣き止むと知られているTVのザァーというノイズ(砂嵐)ですが、


在胎25週~生後5~6ヶ月にかけては
有毛細胞と側頭葉のチューニングをしている時期で
環境が大切だそうです



言語や音楽、意味のある環境音は聞かせてよいが、
60~80dB以上であるノイズは妨げとなるようです


ノイズをずっと聞かせたマウスの聴覚皮質は 乱れた分布になった
という検査結果から、

赤ちゃんにノイズを聞かせて静かにさせるのことは
してはいけないということです



泣いている赤ちゃんに自然の音に似た楽器やおもちゃは有効で、

雨が降っているような音の出るドラム落としや
きれいな音のでるツリーチャイムなどはよいようです


胎児に聞こえる音は、高い音ほど減衰しやすいため、低い音の方が耳に伝わりやすく、

内臓音より小さい音だと聞こえていないそうです


保育器の中の早産児9名に、母親の声を聞かせると、
それまでゴソゴソ体の動きがあったのがピタリて止まり、
母親が黙ると再びゴソゴソし出したり、


母親の声が聞こえると哺乳の休み時間が多く、
他人の母親の声だと休み時間が少なくなるという検査の結果から、


赤ちゃんは自分のお母さんの声を聞こうとしているということがわかります!!



早産児に母親の声をよく聞かせる実験では、
満期児より言語理解が有意に高く、

認知、視覚-運動統合においては差がなかったのだそうです


こどもは自分のお母さんの声を認識し、聞こうとしていることがわかりますね




ところで、われわれは赤ちゃんに話しかける時

無意識に特徴のある話し方をしますよね

あれは、マザリーズ(母親語・対乳児音声)と呼ばれるもので、


特徴は、
●抑揚が大きい(音の高低の幅が高い)
●やや高い音
●ゆっくり
●くっきり(明瞭)と発音
●フレーズが短い
●間がある
●繰り返し(ちょっと変化)

私たちは、赤ちゃんがよく反応する方法を自然と使っているようです


生後2~9日の満期産児にマザリーズで話しかけると

赤ちゃんの脳血流が増えることや、


6ヶ月児をはさんで左右のスピーカーからマザリーズが聞こえてくると、
そちらをグッと見ることが実験でわかっていることから、


マザリーズで話しかけることが、赤ちゃんにとってより良いことがわかります



そして、マザリーズより赤ちゃんの興味を引くのは歌だそうで、

財津一郎さんが歌う『タケモトピアノ』のTVコマーシャルを紹介されました


これについては、以前『ナイトスクープ』という番組で放送があったのをみたことがありました


泣いている赤ちゃん15名くらい?を一室に集めてそのままにしておくと、


突然、部屋のTVから「♩ピアノうってちょうだ~い♪」と流れてきます


すると、それまでギャ~ギャ~泣いていたのがピタリと泣き止むのです

TVを止めると、泣き出し、
歌が聞こえると、泣き止むのです!


不思議だな~と思って見ていましたが、あの曲に

マザリーズの特徴をすべて含んでいるという科学的な根拠があったのです!



もうひとつ赤ちゃんの注意を引きつける歌は子守唄で、


音程、速さ、リズムの変化は少ないのが特徴ですが


世界の子守唄はほぼ440Hz,390Hzで
胎内でもよく通る高さなんだそうです


赤ちゃんの泣き声と子守唄と胎内に届く音の周波数は
同じ高さであることがわかっているそうです!



このことから、
哺乳力が弱い未熟児に、おしゃぶりを吸うと音が聞こえる装置をつけると、

「もっと聞きたい」気持ちから吸う回数を増やすことができる有効な音楽療法として
使われているそうです


無呼吸発作をおこす酸素投与中の10名の早期産児に
子守唄を聞かせるのも効果があるそうです


新生児集中治療室での音楽療法は有効で、ストレス緩和にもなるし、


音楽療法があった赤ちゃんたちには、
ミルクをよく飲み(1日の体重増加がより多い)、


入院日数も短く、早く退院できることがわかっているそうです!




赤ちゃんに音を聞かせることは、なんか良さそうだな~と思ったことでしょう

「それなら、早くからもっと聞かせたらいいだろう!」


ということで、

胎内にいる赤ちゃんにヘッドホンを当てて音を聞かせると、


羊水を通して高い音は減衰するため、低い音のみ大きく伝わり、
赤ちゃんはびっくりしちゃうようですよ


お母さんの声とお腹に管のようなものを当てておしゃべりするグッズもありますが、
それも必要ありません


だって、冒頭でお話しがあったように
生体の中を伝わる速度は、空気中より速いのでそんなグッズを使わなくても、
お母さんの声はちゃんと聞こえてますものね!




赤ちゃん(ヒト)は、生まれてきたときは耳からの情報が優位なネズミと同じで

目からの情報が優位なサルに進化していくといいます


見えない、立てないと哺乳類のなかで未熟な状態で生まれてくるヒトですが、
駆け足で進化の一途をたどっていくようです




次回は、2/6(水)赤ちゃんの「話す」です
2月は3回あるので、やや気ぜわしい~






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