あそびのアトリエ リボンクラブ大阪池田ルーム(旧ママりす日記)





「転倒に基づく対発生」 :: 2014/02/04(Tue)

始まりの挨拶を◯くんが買って出てくれます。

「これからリボンクラブおわります」と笑いながら言ってくれました。

◯くんが選んできたのは、
「にじいろのヘビ」という色つなぎのカードゲーム。3人でやることにしました。

伝えたいことを頭で組み立てながらルールの説明をお母さんにしたり、質問に答えることができます。

このゲームで◯くんの関心は、
「山からカードをめくってどこにつながるのかを探すこと」と、

「勝敗」にあるようで、じぶんより先に相手がヘビを獲得すると、劣勢に立たされた心が折れてしまいそうになることに耐えているようでした。

「◯くん、大丈夫だよ。まだこんなに残ってるからどうなるかわからんよ」と励まし、なんとか保っているようでした。

「じぶんが負ける」ということはなかなか受け入れることが難しいようです。

ついには、順番を待ちきれずじぶん以外のターンのときも山をめくり、一人でどんどんヘビをつなげ出しました。


夢中になった◯くんに、
「◯くん、山をめくるのが楽しいのね。それやったら、一人でめくってどんどんつなげていってイイよ!」と言ってみました。(もちろん意地悪な気持ちからではありません)

すると、「イヤや。みんなでしたい」と◯くん。つなげることは楽しいけど、相手はいるということです。


「そう。じゃあ、山からカードを引いてどこにつなげるのかは、その人が決めることよ。◯くんじゃなしに。それ、わかる?」と尋ねると、

「うん、わかった!」


こうして3回戦までやりました。最後は◯くんが勝てて満足したようです。


ゲームの勝敗は、数唱する前に◯くんはわかっていました。ゲームをしているときから、だれが一番多そうで、だれが一番少なそうなのかの目星がついているのです。

3人の獲得した枚数をそれぞれ数唱し、
「数」と照らし合わせてより確かなものへつなげていきます。


だれが一番多いのか?
だれが一番少ないのか?
二番に多いのは誰か?
三番に少ないのは誰か?
◯くんはお母さんより何枚多いのか?
お母さんは◯くんより何枚少ないのか?
お母さんはあと何枚あれば◯くんより多くなるのか?


言葉の理解がなければ、聞かれ方を変えられたらわからくなったり、
何と何を比べるのかこんがらがってしまいそうですよね。

◯くんは言葉の理解や数の操作が得意な子ですから、目を輝かせて挑戦します。


人を相手にするゲームは、嬉しくて飛び上がりたくなるようなことや、悔しくて投げ出したくなったり、葛藤と戦ったりという感情の波を味わえますし、

じぶんと相手との違いに気づいたり、と

そこに社会を縮小した世界がありますよね。


今のこどもたちにたくさんあそんでもらいたいものの、一つです。


そのあと、折紙あそびに誘ってみました。◯くんは、これまでこちらの提案を受け入れることはほぼありません。

指先を細かく動かす制御を伴うことはしたくないようですし、

「ボクのすることを決めて欲しくない!
じぶんで決めるのだ!」というメッセージと受け取れます。

また、

「それは幼稚園でしたから、ここではしない」と理由を述べてじぶんを正当化してわたしに向けてきます。


この日は、箱の中から飛行機の折り方を見つけそれを作りたくなったようなので、一緒に制作することにしました。

言葉を聞き、わたしの手元を見ながら模倣できます。


◯くんの指先がこんなに動いたところを見たのは初めてです!

折る力が弱い点はありますが、複雑な折り方もよく理解して集中できました。

「飛行機を折りたい!」という◯くんの強い想いが支えになっているのでしょう。

微細運動が苦手なのかな~と思っていましたら、そんなことはありませんでした。

決してできないのではなく、「自信がない」のです。「評価されること」を恐れているようです。

完成した飛行機は、これまたよく飛びました!(写真には何かが横切ったような線しか映りませんでした)


幼稚園で作ったという
鬼のお面と牛乳パックで作った升を見せてくれました。頭足人も描かれてありました!

ここはこうで・・と説明する◯くんの横顔は誇らしげです。


リボンクラブでなら、おそらく「しな~い」と言う課題でしょうから、
◯くんからすると、かなりの頑張りを要したことと思います。
「すごくがんばって描いてるね。イイね!」


リボンクラブは幼稚園の集団生活とは違い、個の発達段階に応じる社会的な役割を担っています。

こどものあそびを保証する空間で、
「わたしはあなたに評価の目を向けません」というメッセージを送り続けたいと思います。

彼の誇りを傷つけないよう見守りながら、安心して能力を使ってほしいものです。


終わりの挨拶は
「これで、リボンクラブを終わりたくありません」と言って笑って帰りました。


前回は、取っ組み合いのケンカを経て「ゴメン」と言えました。


『子どもの発達と診断 5』著 田中昌人/田中杉恵によると

これらは生後第3の新しい発達にともななうできごとです。
その力が勢いを持って、自分が活動の主人公になり、不確実な3次元を確かなものにし、「転倒に基づく対発生」を行って世界をつくりかえていこうとしている姿なのです。


この時期の彼らのいとなみを正しく知り、接していくことが大事ですね。

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