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日本赤ちゃん学会第14回学術集会~想像する力 :: 2014/07/03(Thu)


想像するちから: チンパンジーが教えてくれた人間の心
松沢 哲郎(京都大学霊長類研究所)先生の講演がありました。
わたしがお目にかかれることはないような方です。


人間とは何か?
対象の外側から眺めると、つまり人間ではないものを研究すると見えてくるだろうというわけで、

ヒト科4属(オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ヒト)のうち、ヒトに近いチンパンジーを研究しているのだそうです。

以下、忘れてしまわないよう書き留めたノートより。


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チンパンジーには、人間がするようなまねる(まなぶ)ことは難しいことで、
4,5歳になるとまねるようになる。


お母さんがヤシを割るの間近で「見る」。
お母さんがこどもに教えることはしない。


チンパンジーの教育は「教えない教育・見習う学習

親や大人は手本を示す。こどもはまねる。大人は寛容である。


一方、人間の教育は「教える」。
さらに具体的にいうと、手を添える、褒める、うなづく、微笑む、認める、見守るなどの行為があるが、これらのことはチンパンジーは絶対にしないこと。

このような行為は人間ならではの、人間らしい行為といえる。


また、負の強化もあり
叱る、叩く、無視するといったことはチンパンジーにはありません。


チンパンジーの赤ちゃんを人間の家庭で育てるとどう成長するのか?

これは欧米流の伝統的な比較の方法で、チンパンジーに父母がいない環境で人間親子と比較するのはフェアではない。

人間に育てられたチンパンジーは出産や子育てが上手く出来なくて、出産後逃げてしまう。

だから、子どもを親から引き離してはいけない訳で、チンパンジーをよく知るには、
無理やり母親から引き離して観察するのではなく、付き添われて参与観察するのが良い。


チンパンジーの能力はこれまでの研究の結果、色や漢字を画面にタッチしてマッチングすることができるし、

瞬時に表示される1~19までのランダム数字を、順にタッチできることから

瞬間記憶とか写像記憶と呼ばれる特別な記憶能力があることがわかった。


チンパンジーは持たない「言葉」には、
経験を持ち運べ、他者と分かち合うという役割がある。
言葉を生みだす社会の方にこそ本質があり、その基盤があるということが人間とチンパンジーの子育ての違いではないか。


子育ての違いにはその他、

「仰向け姿勢」は人間の赤ちゃんしかとらない姿勢で、手足を上げるのは霊長類一般にいえる母親にしがみつこうとする動き。


「協力する」こともチンパンジーはできるそうですが、「頼まれれば手助けする」ようで、「すすんで手助けする」のは人間らしい行為といえる。


また、人間のこどもが3歳過ぎると空所を補充する先に描かれたものへ描き加える描画がありますが、
チンパンジーはしない。

「今そこにあるものを見る」のがチンパンジーで、
「今そこにないことを考える」ことをするのが人間といえる。


チンパンジーが「今ここ」の世界に生きていて、
人間は「遠く離れた過去や想像する」ことができる。

チンパンジーは、絶望しないし明日のことで悩まない。過去の経験を覚えている。人間より広がりが小さい。

人間は想像する力があり、時間や空間の広がりが大きい。


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その他にも興味深いお話しをたっぷり、しかもとてもわかりやすく写真を交え講演して下さいました。


チンパンジーを研究することで改めて「人間」がよく見え、立ち止まって考えることができる機会となりました。


人間の子育てだけが昨今とても難しい世の中にあるような気がします。

チンパンジーの子育てから、「教えない教育、手本を示す、こどもがまねる、寛容な大人な態度」には

言葉を持たない人間の乳幼児期に通じるものがあり、

そこに人間らしい「手を添える、ほめる、うなずく、微笑む、認める、見守る態度」が加わるという大人の関わりでよいのだな~と思いました。









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