あそびのアトリエ リボンクラブ大阪池田ルーム(旧ママりす日記)





ジジさんのコメント ① :: 2015/06/02(Tue)


お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、私の書いたブログにあそびの心理研究所 ジジさんから
コメントをいただいています。
ジジさんのことは昨年、池田ルーム主催の《お母さんのための勉強会》に参加された方はご存知だと思います。
こちらのコメントは長いのですが、わたしには代わることのできないとても貴重な内容です。
まだお目を通されていない方は、ぜひご一読ください。


**********************************


「気になる子」
これは医学用語でないでしょう。

おおまかに言えば、教育者やそれに準ずる人が使っている言葉です。もう少し進めて言えば、おおよそ4歳過ぎてからの集団生活の中で保育者が「あれっ」と思えるような行動をとる子どもたちです。

ですから、その時点では医学的根拠はないはずです。

最近知り合った園長の保育園では、60名定員の21名が「気になる子」と言われている子どもだそうです。実情はそういう子どもを受け入れているからで、保護者が気兼ねなく預けられるからのようです。

保育の内容は「安全地帯での離し飼い」のような感じですが、それぞれの子どもがジブンの居場所を確保できるように配慮されています。

それらの実践報告が九州大学大学院人間環境学研究院の主催で行なわれた第13回「日本赤ちゃん学会」学術会議の分科会でありました。

入園時から卒園時にかけ「どんな子どもでも発達していき、生まれつき持っている発達の偏りが暖和されます」という報告でした。

その園長先生から見れば「気になる子」というのはいないようです。いるのは、医療の援助を必要とする子どもか、そうでないかという判断です。なぜなら、園長自身が「気になる子」という言葉の中には、「教師や保育者の思い通りにならない子という意味が含まれていることがある」と言っていましたから・・・・。

それでも、他に適切な用語がありませんので「気になる子」という言葉を使いますね。

リボンクラブ熊本ルームのように、わずか30名ほどの子どもたちの中にも4~5名の「気になる子」がいます。親しい園長先生の中には「そんなこと言ったら、半分くらいは気になる子よ」と悩んでいました。

「気になる子」とはどういう子どもたちでしょう?大まかに言えば「集団生活で気になる行動をとる子ども」としてみます。

国際臨床保育研究所の辻井先生が提案していることの一つが、その前に「気になる子ども」に気づきましょうということです。子どもが集団行動に入る前に、0歳や1歳の早期の時点で、子どもの成長に気になる行動が見られたら、早期に発見しケアーできるような体制を作りましょうと呼びかけています。

医療的なケアーが必要な子どもたちには、できるだけ早い時点でケアーをすることが望ましいと考えられているからです。

しかし、現実は重度の場合はのぞいて、中・軽度の場合は診断はできても、その後の対応の仕方が示されることが少ないようです。これは、ジェリーさんも経験していることと思います。

医療の問題は医療に、ここは素人が関われない領域です。しかし、私たちや保育者にできることに「あそぶこと」があります。この領域はだれでも参入することができます。

仮にアスペルガー症候群と診断された子どもがいても、その子が誰かと「ごっこあそび」が楽しめることができるようになったとしたら、その子どもの診断は軽減されるでしょう。

虹色教室のナオミ先生もこの方法をとっているようですし、S・グリーンスパンの「自閉症の治療プログラム」でも、子どもとあそぶことが中核的な方法になっています。

仮にADHDの子どもがいたとしても、子どもが興味のあることに私たちが従うことで「あそぶことを持続できるようになれば」注意の集中を持続するということに貢献できるかもしれません。

もちろん簡単にできることではないのですが、医療従事者でない私たちにもできることはあるということです。

ただとても残念なことは、それらの評価をだれもできないことです。「あそぶこと」で軽減していったのか、「子どもが自力で感覚統合すること」であそべるようになったのか分からないからです。

ウィニコットによれば「あそぶこと」は健康になることです。これは情緒的なアプローチですが、発達的なアプローチとしても「あそぶこと」は感覚統合と関連していると思います。

健康な子どもは、周辺の「モノ、ヒト、デキゴト」を利用して年齢相応に楽しくあそぶことができます。「あそべない子ども」はそれに比べるとなんらかの事情を抱えています。それは一過性のときもありますが、慢性的に持続することもあるようです。

「笑顔であそべるようになること」これは、リボンクラブの目標かも知れませんね。

ただし、「健康になるだけではイヤだ、学校で勉強ができる子にして欲しい」という無言の圧力を感じることもあります。

それらの不安に答えるかのように「あそびは学び」というキャッチフレーズが聞こえるようになりました。

間違っているとはいえませんが、あそぶことで身に着けていく1次経験と、学校で勉強していくことで身に着けていく2次経験は分けて考えた方が良いように思います。

もとに戻りますね。

「気になる子」が、そのまま年齢が来て小学校に入学した時にどのようにすればよいのか?

これも大きな問題です。

結論から考えると、学校が一斉授業を続けている限りなかなか難しいのではないか?

一斉授業というのは「同年齢の子どもを等しく扱う」ということです。「平等でいいじゃん」と思えるのですが、ひとり一人の子どもの違いに配慮できないという難点があります。

シカゴ大学のデューイは、こうした授業のあり方の改善を図ろうとしています。細かいことは省きますが、経験をもとにしてそれぞれの子どもが協同することで学習を重ねていこうとする方法です。そこには「それぞれの子どもが違っていてよい」ということが配慮されています。この実験は100年も前の話ですが、現在の先進国ではデューイの考え方は生かされているようです。

オランダのイエナプランを基本にする小学校でも「それぞれの子どもは違う」ということは、子どもの権利として保障されているようです。

こうしたことを参考にすると、一斉授業が子どもを中心にした授業というより、国家を中心にした授業形態に見えてきます。それ以上のことは一市民にはわからないです。

ただ、学校に行きたがらないからといって必ずしも「子どもに原因があるわけではない」ということは認識していく必要はあるかも知れません。子どもの味方がだれも居なくなったとき、一番困るのは子どもです。




続きます。

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勉強会について

こんばんは。質問させて下さい。
近々「お母さんのための勉強会」開催予定はありますか。入会者だけの参加ですか?遠方のため、残念ですが入会はできないです。単発イベント等があれば、ぜひぜひぜひ参加したいです。
  1. 2015/06/05(Fri) 21:10:25 |
  2. URL |
  3. ぐるんぱ #-
  4. [ 編集 ]

ぐるんぱさま


ご質問ありがとうございます。
お尋ねの「お母さんのための勉強会」については、日頃わたしからは伝えきれていないリボンクラブの理念やあそびの心理、子ども観についてジジさんに講話してもらいました。
お母さん達に安心して聞いてもらったり、意見交換しやすいよう入会者さま限定の小さな輪で行っています。

勉強会に参加できなくても、お母さん達の学びにつながるよう発信して参りたいと思います。現在、当ブログの他に帯山ルームと荒尾ルームのブログもございますので合わせてご覧下さい。
なお、単発イベントについては未定ではありますが、することになればブログにて公開致します。

ぐるんぱさまのように興味を持って下さる方がいると知り、とても嬉しく思います。コメントありがとうございました。
  1. 2015/06/07(Sun) 11:11:15 |
  2. URL |
  3. ジェリー #-
  4. [ 編集 ]

ブログを通してだけでなく、実際にお目にかかり話しを伺いたかったです!残念!
参加できるイベントが開催されるコト楽しみにしてます。
  1. 2015/06/07(Sun) 17:53:23 |
  2. URL |
  3. ぐるんぱ #-
  4. [ 編集 ]

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